メリノウール、ヒマーチャル地方のウール
ショールに使われているウールにはオーストラリアから輸入しているメリノ種から取れるメリノウール、又はヒマーチャル地方の羊毛があります。
メリノ種はスペイン原産の羊でその後オーストラリアに伝わり多く生息しています。オーストラリアの羊は約4分の3がメリノ種で世界の約半分を生産しています。メリノウールとはこのメリノ種の羊から取れるウールで、3000種もの羊毛の中でも最高級とされています。
メリノウールは他の種類と比べて繊維がとても細く、白く美しい光沢を持ちソフトでとてもしなやかな肌触りが特徴で衣料品に最適です。
耐久性、保湿性も良く更に通気性にも優れているため肌着としても重宝されます。
輸入された羊毛を国内の工場で紡ぎ、様々な色に染めてから手織り機でショールを作っていきます。この地方のショールは大部分がメリノウールを使い作られています。
ヒマーチャル地方の羊の大部分は移住性で、夏には牧草を食べるために地元の羊飼いと共に村からヒマラヤの高地に移動します。氷河からの冷たい風を受け育った羊はその後、村に返されていきます。寒い地域で過ごし、暖かい毛がたくさん生えた羊は年2回春と秋の季節にこの毛を刈られます。
この羊毛はメリノウールにくらべて粗いのですが暖かくしっかりしているためパトゥやくつ下、じゅうたんなど生活のあらゆる場面で使用されています。
パシュミナ
パシュミナとは標高4000m以上のヒマラヤ山脈に生息している山羊の、喉からお腹にかけて生えている柔らかく繊細な冬毛を熟練した職人の手で紡いで作られた毛織物です。
有名なカシミアの毛の太さは16〜18ミクロン、しかしそのカシミアよりもさらに細く繊細であるパシュミナは約10〜15ミクロンなのです。細くなめらかな毛はとてもデリケートなため機械で紡いだり生地を織ることはできません。その為に大変な手間もかかります。
一枚のショールを作るのに4〜5頭の山羊が必要なことからとても希少価値が高く、きわめて高価な織物のひとつとされています。
パシュミナショールの特徴は軽いうえにとても暖かく肌触りもなめらかで、使うたびに柔らかくなります。
さらにしわになりにくい特徴があるため、持ち運びにも便利です。
アンゴラ
アンゴラとは全身が長い毛で覆われており耳の先端部にも長い毛が生えているウサギの一種です。アンゴラウサギはドイツからインドに輸入されこの地方で飼育されており、3ヶ月に一度その長い毛を刈られます。
出生率は非常に高いのですが死亡率も高いことからおよそ2年間育てられた後は食用肉として売却されてしまいます。雄よりも雌の毛のほうが上質で体重1キロあたり0.2キロの毛がとれます。
アンゴラ毛の特徴は軽くて艶があり、肌触りはとても柔らかく暖かいです。その毛はとても繊細なため機械ではなく一本一本手で紡いでいきます。さらにその毛の繊細さの為に100%のアンゴラショールを織ることはとても難しく、アンゴラとメリノウールの毛を使ってショールを織ることが多いようです。
アンゴラショールはパシュミナショールに次ぐ高級品とされています。
ヤク
ヤクは標高4,000m以上もあるヒマラヤ山脈に生息しているウシ科の動物です。雪の多い山岳地帯の厳しい自然環境での生活に適応できるよう、肩から蹄のあたりまで達する長い毛に覆われています。長くて太い毛と柔らかい産毛が密集して生えており、色は一般的には黒から暗褐色で鼻のまわりには白い毛も見られます。
絶滅危惧種にも指定されているため希少価値はとても高く、現在では野生のものはほとんど見られず家畜として飼われています。毎年春におなかと下半身のあたりの毛をくしで梳かれ毛先を切ります。
ヤクの毛は繊維が柔らかくとても丈夫で保温性と防水性に優れているため、高地に住む現地の人々やヒマラヤ登山家達もヤク製のセーターなどを愛用し、防寒着として大変重宝されています。
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